キュービックジルコニアについて

ダイヤモンドの類似品の代表格、キュービックジルコニアという名前をご存知の方も多いかと思います。少し紛らわしいのですが、同じくダイヤモンドの類似品でジルコンという物質もあります。これらは名前はよく似ていますが、全く違うものです。しかし、どちらもダイヤモンドの類似品に使われるほど光輝きます。
なぜダイヤモンドのように輝くのでしょうか?それはそれぞれがもっいる物性値が近いからに他なりません。光を反射させたり、屈折する角度を決める屈折率、光を虹色に分散させる分散度は、特にキュービックジルコニアがダイヤモンドの値と近く、分散度についてはそれ以上です。実際に見てみると、キュービックジルコニアは本当にギラギラとしています。

[天然/人工]
ダイヤモンド 天然/人工
ジルコン 天然
キュービックジルコニア 人工

[硬度]
ダイヤモンド 10
ジルコン 7.5
キュービックジルコニア 8-8.5

[屈折率]
ダイヤモンド2.417
ジルコン1.925~1.983
キュービックジルコニア 2.13

[分散度]
ダイヤモンド0.044
ジルコン0.039
キュービックジルコニア 0.060

では、ダイヤモンドとキュービックジルコニアを判別するためにはどうすればいいのかというのが気になるところです。光り方や研磨のエッジの鋭さを見ましょうとうたっているところもありますが、素人の肉眼ではなかなか現実的ではありません。以前、このブログでご紹介した水の表面張力も水を垂らすとダイヤモンド同様大きく玉になります。

一つ大きく違うのが熱伝導率。つまり、どれだけ熱が伝わりやすいか。ダイヤモンドは圧倒的に熱をよく伝えるのです。炊飯器などにダイヤモンドがコーティングされているのもそのためです。

[熱伝導率]
ダイヤモンド1000-2000
キュービックジルコニア 3-4

この特性を使った判別方法が息を吹きかけて曇るかどうかということ。熱伝導率が高いとすぐに曇りがとれます。また、そうでない場合は少しの間曇っています。つまり、キュービックジルコニアの場合は息を吹きかけると若干時間曇っています。ただ、それはダイヤモンドと比較したときにわかる程度でもあり、実際に単体での判別は難しいというのが本音です。一番簡単なのは研磨してみること。ダイヤモンドは最も硬いのでダイヤモンドでしか研磨できませんし、またそれでも容易ではありません。しかし、それでは実際の物自体は損傷、あるいは一部が研磨されてしまい商品価値がなくなってしまいます。そうなると逆説的ですが、値段かもしれません。先日、キュービックジルコニアを購入しましたが1個3.0カラット程が80円でした。ダイヤモンドとは10万倍ほど差があります。結局のところ、専門家か機械に頼らざるを得ません。

全てのダイヤモンドの売買において、信頼をもてるか、つまりブランドに大きな影響があるのはそのためでしょう。

ブランドマネージャー 北川大輔