ダイヤモンド・ファイヤー

ダイヤモンドのファイヤー。

炎のことではありません。ダイヤモンドが虹色に輝くことを宝飾業界ではファイヤーといっています。これは4Cのように鑑定書の基準はありませんが、ダイヤモンドの美しさを語る上では外せない要素です。

下記動画のちょうど真ん中の部分の映像をみていただければお分かりいただけると思います。

ただ、このファイヤーという現象はダイヤモンドだけでしょうか?

これを説明するためには光の波長分散、つまり光がダイヤモンドに入ったときに分かれてしまうということをお話しないといけません。光は物体を通過するとき波長によって分かれるのです。ダイヤモンドも同様で外から取り入れた光は中で分かれ、その幅の広さによって鮮やかな7色になるという少し難しい話です。この光が分かれる幅を数値化したものは分散率と呼ばれるのですが、実はダイヤモンドのその数値はそれほど高くないのです。ダイヤモンドは0.044、ダイヤモンドのイミテーションとして使われるキュービックジルコニアの0.066より低いのです。ちなみにガラスは0.013。[参照:『光の百科事典』(丸善出版)]

では、なぜダイヤモンドのファイヤーに焦点がおかれるのでしょうか?残念ながら、そのことを明快に説明している資料とは出会ったことはありません。

ここからは私の推測です。

上記動画のようなブリリアントカットされたダイヤモンドは、ダイヤモンド自体の屈折率が高いため一度取り入れた光を中で反射してはね返ってくる性質があります。それ故、輝きという点でも美しいのです。ダイヤモンドの中で分かれた光は同様にすべて反射され自分の目で7色が確認できる。一方で、もし分散率が高くても屈折率が低い物質であれば、せっかく分散された光も自分の目に届くことなく下に抜けてしまい、その鮮やかさが確認できない。

ややこしい話になってしまいましたが、ダイヤモンドのファイヤー(虹色)は中で光が分かれるためで、理論上はダイヤモンドが大きければ大きいほどその幅、つまり光の分かれ方が大きく虹色がしっかり確認できるはずです。なので、ダイヤモンドはやはり大きいものがおすすめなのです(高いけど、、、)。

ANOTHER DIAMOND ブランドマネージャー 北川大輔